【共感覚】海外で共感覚者だと言った時の反応

よしなしごと

こんにちは!
これまで、共感覚とは何かについてと私の共感覚の体験について紹介してきました。よろしければこれらの記事を先にお読みください!

今回は、私の共感覚体験談の第二弾です。アメリカで共感覚者だと言った時の反応についてお話します!

アメリカで共感覚者だと周りに伝えた話

私は、高校2年生の時に10か月間アメリカへ交換留学をしました。アメリカではホームステイをして、現地の家族のお宅にお世話になっていました。そのホストファミリーに、私が共感覚者であることを伝えた時の話を紹介します。

留学開始から2,3か月後のある日、いつものようにホストファミリーみんなで車で移動していた時、どういう話をしていたか忘れてしまいましたが、話の流れでさらっと「私、文字に色が見えるんだよね」と言ったんです。そしたら、ホストファミリーの一人が「それ、synesthesiaだよ!coolだね!」とすぐさま言いました。

私は、”synesthesia”という単語を初めて聞き、それは何かと聞き返したかったのですが、一度聞いただけでは耳慣れない単語を言うことはできず、、英語力が低かった私はまごまごしてしまいました。笑
その後「synesthesia=共感覚」であることを理解し、ホストファミリーから「私の名前は何色に見える?」などと質問されたりして、会話が盛り上がりました。

この時私がびっくりしたのは、ホストファミリー5人中(親2人、高校生2人、小学生1人)、高校生の2人が共感覚について知っていたということです。私が小学生高学年で自分が共感覚者であることを知った時も、母が文字に色が見えるということをネットで調べたから知ったのですが、その時母がネットで「文字に色が見える」などと検索しなければ、この時まで共感覚という現象自体を知らなかったかもしれません。日本で生活する中で共感覚という言葉を聞くことは、自分から情報を探さない限りほとんどありませんし、現に私の母も検索して初めて共感覚という現象を知ったのです。

私がお世話になったホストファミリーはとても優秀で知的好奇心の強い人ばかりだったので、ホストシブリングス(シブリングス=兄妹)の高校生2人が共感覚を知っていたというのには、その環境のおかげという側面はあると思います。しかし、それでも日本よりアメリカの方が共感覚は知られているのかなぁ、と思わずにはいられませんでした。

そして、共感覚についての話でひとしきり盛り上がった後、ホストシブリングスの一人が興味深いことを教えてくれたのです。

色覚多様性という特性を知った

その時に聞いた話というのが、色覚多様性についてです。(※色覚多様性は、もともと色覚異常や色盲と呼ばれていましたが、2017年に日本遺伝学会が「色覚異常」から「色覚多様性」と名称を変更したそうです)

ホストシブリングは、彼女も私も知っている高校の共通の知り合いが色覚多様性を持っているんだと言いました。色覚多様性にも種類があり、その知り合いの彼女は緑と赤が見分けられないという一番頻繁にみられるタイプの色覚多様性を持っているそうなのです。

日本にも色覚多様性を持つ人はもちろんいますが、日本ではそんなにオープンにそのことを話せるでしょうか?日本の高校生で、共感覚や色覚多様性を簡単に説明できるくらい知っている人はどれくらいいるでしょうか?

もちろん、日本だから、アメリカだからと簡単に線を引くことはできませんし、人による部分は大きいと思います。しかし、アメリカの方が自分の個性や特性について話すことに対して、日本よりオープンな姿勢を取っている人が多いのではないかなと思いました。

そのオープンな姿勢が、ホストシブリングス2人が高校生でも共感覚と色覚多様性を知っていた理由の一端を担っているのではないかなと思います。

色覚多様性とは?

色覚多様性について紹介するので、興味のある方だけお読みください。

色覚多様性には、色覚多様性の発現率は人種間で差があり、中でも白人の男性に多いそうです。また、色覚多様性には遺伝性があり、それが男性に発現率が高い理由です。その理由とは、緑と赤を感知する遺伝子が性染色体上にあり、その遺伝子に欠陥があると緑と赤が見分けられないタイプの色覚多様性を持った子どもが生まれるからです。

性染色体には2種類あり、X染色体を2本持つのが女性、XとY染色体を一本ずつ持つのが男性です。2本のX染色体をもつ女性は、片方のX染色体上の緑と赤を感知する遺伝子に欠陥があってももう1本のX染色体が正常であれば、色覚多様性とはなりません。しかし、X染色体を1本しか持たない男性は、 X染色体上の遺伝子に欠陥があると、スペアとなるものがないので、色覚多様性を持った子どもが生まれるのです。

おわりに

いかかでしたか?
共感覚や私の共感覚者としての体験談についてまとめた記事以外にも、共感覚者である望月菜南子さんの著書『1は赤い。世界は緑と青でできている』への感想も書いていますので、よろしければご覧ください!

参考記事

米国学会短信, “色覚異常発現は人種間で差 【米国眼科学会】”, m3.com, 2014年4月16日, リンク.

岩佐真紀, “色覚異常、男女で違う割合 目にある3種類の細胞がカギ”, 朝日新聞, 2019年5月26日, リンク.

コメント

タイトルとURLをコピーしました