こんにちは!
今回は山内マリコさんの『ここは退屈迎えに来て』を紹介します。
この作品は橋本愛さん、門脇麦さん、成田凌さん主演で2018年に映画化されているので、タイトルを聞いたことがある人もいるかもしれません。
この記事では、映画ではなく小説の方のあらすじと感想を少し紹介します!
あらすじ
『ここは退屈迎えに来て』 は8つの短編小説からなる連作小説です。すぐにあらすじを書くよりも、まずこの8つの短編小説のタイトルを紹介します。そこからも少し、どんな連作小説なのかと想像が膨らむかもしれません。
- 私たちがすごかった栄光の話
- やがて哀しき女の子
- 地方都市のタラ・リピンスキー
- 君がどこにも行けないのは車持ってないから
- アメリカ人とリセエンヌ
- 東京、二十歳。
- ローファー娘は体なんか売らない
- 十六歳はセックスの齢
このうち、8作目の「十六歳はセックスの齢」は「女による女のためのR-18文学賞」で読者賞を受賞したお話です。
連作小説なので8作を通して共通することや人は登場するのですが、地方都市で青春を過ごした女の子8人がそれぞれのお話の主人公です。
例として、1作目「私たちがすごかった栄光の話」の主人公とあらすじを紹介します。
主人公の「私」は東京から地元にUターンしてきたフリーライターの30歳。あるきっかけから高校時代の親友との連絡が繋がり、2人にとって高校時代の特別な思い出をくれた友だち 椎名一樹に再会することになります。
それぞれ30ページ前後の長さのお話なので、あらすじ紹介はこの辺で止めておきます。気になった方はぜひ『ここは退屈迎えに来て』を手に取ってみてください!
どんな人におすすめ?
この本は、地方都市や田舎で生まれ育った人は共感できる箇所がいくつもあるかもしれません。また、都会育ちの人でも、現状に満足していない人や、人生について考えたい気分の人にもおすすめです。
個人的には、この連作小説の構成や登場人物を考えると、青春という時期は過ぎて、社会に出て大人になる過程にある20代前半の人におすすめしたい本です。
感想
※あくまで私個人の感想です。また、ネタバレを含む可能性があります。ご了承ください。※
この本を手に取ったきっかけは、ある尊敬する人のおすすめでした。どういった本なのかということや、映画化されているということも知らずに読み始めたので、最初は共通点を持った女の子たちのそれぞれ独立した短編集かと思ったら…2作目の途中で「あれ、そんなことないぞ」と気づいてからは、タイトルの『ここは退屈迎えに来て』がどんどん心に沁みていきました。
構成もとても面白いです。今は30代になった椎名が、8人の女の子の目を通して輝いていた過去に少しずつ逆戻りするような構成ですが、椎名が8つの作品を繋ぐ人物として登場する割にはあまり魅力的な人間として描かれていないように思います。これも、また10年ほど経って読んだら何か違うことを思うのかもしれません。
また、読む人の性格や生い立ち、置かれている状況によって印象に残る箇所や抱く感想がそれぞれ違うというのは色々な作品に言えることですが、この連作小説は読む人の年齢も重要だろうなと思います。さらに、この連作小説はほとんどずっと女性視点で進むので、男性が読んだらどういう感想を持つんだろう、ということも気になります。
おわりに
いかがでしたか?
興味のある方は、以下から詳細に飛べますのでチェックしてみてください!
電子書籍はこちらからどうぞ!
コメント