『FACTFULNESS』あらすじと感想

本の紹介&感想

こんにちは!
今回紹介するのは、ハンス・ロスリング、オーラ・ロスリング、アンナ・ロスリング・ロランドによる『FACTFULNESS 10の思い込みを乗り越え、データをもとに世界を正しく見る習慣』です。この本は2019年のベストセラーの一つでしたので、タイトルだけは聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか?

この本を読むと、誰でもハッとするところがあると思います。特にこれから社会に出る学生、第一線で活躍している社会人の方、その他幅広い年代の方におすすめできる本です!

あらすじ

『FACTFULNESS 10の思い込みを乗り越え、データをもとに世界を正しく見る習慣』 は、「ドラマチックな世界の見方」から抜け出すために、世界を正しく見ることを妨げている人間の10の本能について解説した本です。著者で公衆衛生学者であるハンス・ロスリングさんが息子夫婦と共に書き上げた本です。ハンス・ロスリングさんは、研究者、医者、そして講演者として世界を飛び回っていた方で、TED Talkにも出演されています。

この本では、WHOや各国政府が公表している誰でもアクセスできるデータを駆使して、いかに10の本能によって私たちが世界をドラマチックに見ているかが解き明かされていきます。 世界を正しく見ることを妨げている人間の10の本能の例を挙げると、『分断本能「世界は分断されている」という思い込み』『ネガティブ本能「世界がどんどん悪くなっている」という思い込み』『直線本能「世界の人口はひたすら増える」という思い込み』などがあります。

そんな本能を誰しもが持っていることを明らかにするために登場するのが「チンパンジークイズ」です。このクイズがグッと読者の関心を引くのです。「チンパンジークイズ」とは、「チンパンジーに3択のクイズを出したら大体正答率は1/3にけど人間のあなたはチンパンジーより高い正答率を出せる?」という、あなたへの挑戦から名付けられています。ちなみに、残念ながらほとんどの人間がチンパンジーより正答率は低いそうです。

例として、一つだけ紹介します。ぜひ少し考えてみてください。

現在、低所得国に暮らす女子の何割が、初等教育を修了するでしょうか?

A. 20%
B. 40%
C. 60%

『FACTFULNESS 10の思い込みを乗り越え、データをもとに世界を正しく見る習慣』 より


答えは出ましたか?

正解を発表します。

答えは…C. 60%です。いかがでしたか?正解できた方は素晴らしい!でも、より低い選択肢を選んだ人も多いはずです。そんな人はぜひ、 FACTFULNESS 10の思い込みを乗り越え、 データをもとに世界を正しく見る習慣』 を読んでみてください。

多少分厚いですが、内容はわかりやすく書かれているので、興味のある部分だけでも読んでみると面白いと思います!

感想

※あくまで私個人の感想です。また、ネタバレを含む可能性があります。ご了承ください。※

この本が私にとってどんな本だったかを一言で表すと、「前向きにさせてくれる本」でした。

私は基本的に怖がりでリスクを必要以上に気にしていることは自覚していましたが、この本を読んだことでその怖がりな姿勢が私自身のことや周辺に対することだけでなく、日本の外の世界に対しても向けられていたことに気づきました。「本当のところ世界はいい方向へ進んでいるのか」を知ろうとせず、日々のニュースをみて非常に悲観的なものの見方をしていたのです。

また、読み進める中で「この本は世界の見方について話しているが、もっと狭い世界、究極自分自身をどう捉えるかにも応用できるんだろうなぁ」と思っていましたが、現に「訳者あとがき」にもこれと似た記述がありました。私たちの多くが持つ10の思い込みを明らかにしてよりよい世界の見方を教えてくれる本ですが、この本から学べることには色々な応用の仕方があるのだと思います。

統計データを駆使して議論が進められているため、この本には強い説得力がありました。ただ、私が感じたこの本の説得力の強さは、データを使っているからという理由だけでなく、世界を飛び回って色々な人に出会って学んだハンスさんの遺著であるから、という理由も大きいと思っています。

読み始める前に目次を見た時は、タイトルの通りデータを使って10の本能についての解説をして、まとめを経て順当に終わるのかなと思っていたが、良い意味でその予想は裏切られました。「おわりに」で書かれているハンスさんの人間味あふれるエピソードなど、私にとってはデータを使って何かを証明しようとするだけではなかなか出せない、より温かみのある未来への希望を持たせてくれる終わり方だったと感じました。

印象に残っているところや共感するところはたくさんありましたが、一つ挙げるならば11章の「大事なのは謙虚さと好奇心」という部分です。これは、私自身生きていく上で大切にしたいと思うことのうちの2つですが、大小の失敗を繰り返し、それを越えて多くの人の人生に影響を与えてきたハンスさんが言う言葉にはとても重みがありました。

おわりに

いかがでしたか?
読んでみると、きっとハッとする部分があるはずです。興味のある方は以下からチェックできますので、よろしければどうぞ!

電子書籍は以下からどうぞ!

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