ヘアドネーションをした話(前編)

よしなしごと

こんにちは!あんずです。
「よしなしごと」のカテゴリーでは、 私が日々感じたことを好きなように書き残しています。ご興味がありましたら、ぜひご覧ください!今日は、ヘアドネーションをした時の話の前編です。

「ヘアドネーションってなに?」という方はぜひこちらを先にご覧ください!

ヘアドネーションをした話(前編)

みなさんは、ヘアドネーションをご存知だろうか。
ヘアは髪、じゃあドネーションは?となった人もいるだろう。ドネーションとは、寄付のこと。つまり、ヘアドネーションとは頭髪を寄付することだ。なんのために髪を寄付するかというと、小児がんや脱毛症、事故などで頭髪を失った子どもだちのためのウィッグを作るためだ。作製されたウィッグは、それを必要としている子供たちに無償で提供される。
伸びた髪を切るだけでどこかの子の役に立つのならと、2020年の夏の暑い日、ちょっと遠出してヘアドネーションができるという美容院に私は向かった。

小心者で気にしいな私は、美容院に行く時はいつも少し緊張する。何度かお世話になったことのある美容院に行く時は、緊張の度合いは多少マシではあるものの、完全にリラックスして行けるわけではない。共感してくれる人もいると思うが、「滑らかに世間話をしなくては」「希望を上手くスマートに伝えられるかしら」などと、本来の目的である髪を切ってケアしてもらうことから外れたところで緊張してしまう。
特に、今回の美容院来店は私を緊張させる要素が普段より多い。一つは、初めましての美容院に行くから。ヘアドネーションはどこの美容院でもできるわけではなく、髪を切るついでに寄付をしたければヘアドネーション対応店に行かなければならない。そのため、私はバスに30分以上揺られて隣町の美容院に行ったのだ。
私を緊張させる二つ目の理由は、ヘアドネーションのためにかなりバッサリ切るから。実は、ヘアドネーションは誰でも思い立ったらできるものではなく、31㎝以上の長さがなければならない。なぜ31㎝という長さが必要なのかというと、頭部全体を覆えるウィッグを作るためにはそのくらいの長さがいるのだそうだ。それだけの長さの髪を一度に切れば、十分なイメチェンになる。どんな仕上がりになるかを想像すると、少しの緊張と期待が心の中で増していた。
最後の理由は、時節柄、初対面の人との世間話というのが久しぶりだったから。2020年夏と言えばコロナウイルスの第二波が来た頃。2020年4月に発令された緊急事態宣言期間中、そして宣言があけた後も私は自宅に引きこもりまくっていた。対面で人と話す機会が極端に少なく、そもそも初対面の人と直接会ってある程度の時間話すなんてことはその時の日常にはなかった。そんな生活を数か月送った後に急に美容院に行くとなると、普段より割増しで緊張が高まったのだ。
美容院へ行くことに伴う緊張なんて説明されたってよくわからんわ、だったら元から喋らないつもりで行けばいいじゃないか、と思う人もいるだろう。私だって、喋らずリラックスできるならそれに越したことはないと思ってはいる。しかしそれはそれで、最低限の言葉しか発さないなんて不愛想じゃないかしら、美容師さんも仕事がしやすいならいいけれど逆に気を使ったりしないかしら、とこれまたぐずぐず考えてしまうのである。なんと面倒な性格なのやら。

そんなこんなで緊張しながらバスに揺られ、最寄りのバス停で降りて美容院へ向かう。その日は太陽の光がじりじりととても暑い日で、少し歩いただけで汗をかく天気だった。美容院の前に着くころには、緊張よりも冷たいクーラーの風を欲する気持ちが勝ってくれていたので、いくつかの緊張要素があった割にはすんなりと入店できた。
平日のお昼過ぎ、空いていたので予約の名前を確認したらすぐにカットする椅子へ案内された。担当のお兄さんにカット後の仕上がり希望をネットで拾った写真を見せつつ多少ドキドキしながらも伝えると、お兄さんはチラッと写真を一目見ただけで「あ、その髪型ですね~わかりました~」と言った。彼が写真を見たのはほんとうに一瞬で、秒で表すと1秒、長くて2秒やそこらだった。それだけで希望が伝わってしまったのだから、バスの中での緊張はとんだ取り越し苦労だったとは思いつつも、ほんとうに伝わったかしらと飽きずにまた少し心配してしまった。まぁ、ここはプロに任せよう、それより前に本日のもう一つのメイン、31cmカットして髪を寄付するというイベント、ヘアドネーションがあるのだからと自分を納得させたのだった。

よろしければ後編もどうぞ

ヘアドネーションの詳細については、日本でヘアドネーションの活動を最初に始めたJapan Hair Donation & Charityなどのサイトもご覧ください。

また、よろしければ後編もこちらからご覧ください!

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