さくらももこ作『おんぶにだっこ』あらすじと感想

本の紹介&感想

こんにちは!
今日紹介するのは、国民的アニメ『まるちゃん』の作者、さくらももこさんのエッセイ『おんぶにだっこ』です。

思わずくすっと笑ってしまうような内容で、軽く読めます。ちょっと最近疲れたなと感じる人、くすっと笑いたい人、小さい頃繊細で困った経験がある人など、幅広い年代の方におすすめです!

あらすじ

さくらももこさんのエッセイと言えば、三部作と呼ばれるほど『もものかんづめ』『さるのこしかけ』『たいのおかしら』の三作が有名ですが、今日紹介するのは『おんぶにだっこ』です。

このエッセイには、三部作に収録されているお話よりも前の年代のエピソードが収録されています。どれくらい前かというと、2歳から小学一年生のころのエピソードが収録されています。2歳の頃の記憶があるなんてすごい。

例としてエピソードをいくつか挙げてみると、2歳半を過ぎてもおっぱいを飲んでいた話やひらがなを練習した話、『まるちゃん』でも有名なあのたまちゃんに出会った話などなど、1話10ページ前後のエピソードが24話収録されています。

さくらももこさんは、自身のことをとても繊細な子どもだったとと振り返っており、幼少期のエピソードを書くというのはとても胆力がいる作業だったそうです。クスっと笑えるけれど、ピュアな心を思い出させてくれるようなお話が沢山収録されています。

感想

※あくまで私個人の感想です。※

このエッセイとの出会いは、本屋さんでたまたま手に取ったことでした。さわりだけちょっと読んでみようと思って1話目を読んだら、一気に引き込まれて購入しました。

毎日何かしらの不安を抱えて悩んでしまうような繊細なさくらももこさんの幼少期に起きた、今振り返ってみれば何気ないことかもしれない、でも当時は大きな出来事だったというような類のお話が多く収録されています。もし私がそんなエピソードを書いたらただの思い出語りになってしまいそうですが、さくらももこさんの手にかかれば、笑ってしまうような、でもなにか温かい、大切なことを感じさせてくれるような文章になるのです。

私自身さくらももこさんの幼少期のように、昔は今よりもっと繊細で、色んなことが不安で悩んでいました。そのためか、私の中で印象に残っている幼少期の思い出というのは、思い出すのに思い出すのに気力がいる記憶としてこれまで心にしまわれていたように思います。自分の幼いころの記憶をすべて無くしていたわけではなかったけれど、そうしょっちゅう人と話すようなことでもないし、話したとしたらこの人ちょっと変な子どもだったのかなと思われないかしらと心配したり、自分で振り返ってみたとしても昔はピュアだったのに…と少し悲しくなったりするから、手の届きにくいところにしまっていたのです。しかし、 さくらももこさんの感性で面白く、でも丁寧に描かれたこのエッセイは、自由な感じ方をして、善悪の観念を養い始めた頃で、でも物事や世間を知らないからこその不安や悩みを抱えていた自分のあの頃を、ポジティブな気持ちとともに思い出させてくれました。

もし、自らの(昔の)繊細さに悩む人がいたなら、是非読んでもらいたいエッセイです。読まれる際は、ぜひあとがきまで読んでほしいと思います。なぜなら、私に一番の安心を安心を与えてくれたのは、あとがきだったから。どんな安心?と聞かれると難しいけれど、不安や悩みが多くたってあなたはそれでいいんだよと人生の先輩から言われて、心がふわっと軽く温かくなる感じ。ここ1,2年で読んだ本で、一番好きな本です。

おわりに

いかがでしたか?
『おんぶにだっこ』は小さいまるちゃんのような子のイラストが表紙に描かれていて可愛いですし、このタッチのイラストが本編中にもところどころに挿入されています!
ご興味がある方は以下からどうぞ!

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