こんにちは!
今日紹介するのは、ダン・ブラウンによる『デセプション・ポイント』です。
上・下巻からなる、アメリカの大統領府や諜報機関が登場する謀略物の小説です。この本をおすすめしたいのは、ハラハラドキドキしたい人、黒幕は誰なのか考えながら読みたい人です!
まだ読んだことのない人は、まずはあらすじを読んでみてください!
あらすじ
『デセプション・ポイント』の主人公はレイチェル・セクストン。彼女は、34歳にしてアメリカ国家探偵局(NRO)で機密情報を分析・要約して大統領へ提出するという仕事をしています。機密情報を大統領に提出する仕事を任されるなんて、能力が高くとても優秀な女性なのです。
ちなみに、NROとは実在するアメリカ国防総省の諜報機関で、国家の安全保障に関する情報収集活動を指揮しており、宇宙偵察システムの開発や運用なんかもしているそうです。
そんな彼女が父に呼ばれて仕事前に一緒に朝食をレストランで取る、というところからメインの物語りは始まります。レイチェルの父 セジウィック・セクストンは、実は現在行われている大統領選挙の候補であり、彼は経費がどんどん増加しているNASAを批判することで近頃勢いに乗っていました。そんな世間の有名人である父との再会は、レイチェル側からするとあまり喜ばしいことではなく…どうやら確執があるようです。
緊急の仕事の連絡が入ったこともあり、父と別れてレストランからNROの職場へ向かうレイチェル。彼女を待ち受けていた仕事は、なんと父の敵対候補である現大統領 ザカリー・ハーニーからの極秘任務でした。その異例の任務の内容は、NASAによる大発見の真偽を確かめてほしいというものでした。訝しがりながらも任務を受けたレイチェルは、北極圏へ連れていかれます。そこで新たな仲間である海洋学者 マイケル・トーランドや宇宙物理学者 コーキー・マーリンソンらと出会い、NASAの大発見を目の当たりにしますが、彼らは大統領選も大きく絡む深い謀略へ巻き込まれていくのです。
タイトルの『デセプション・ポイント』ってどういう意味?
タイトルのデセプション(deception)とは、「騙すこと、惑わすこと、欺瞞」という意味を持つ名詞です。ちなみに、この名詞の動詞形は、”deceive”ですね。ポイント(point)は、皆さんも良くご存知であろうあのポイント、「点、地点、要点」などを意味する名詞です。
訳者である越前敏弥さんは、あえて訳すなら「欺瞞の極点」となるだろうと訳者あとがきで書いていました。ポイントを極点と訳すあたりがさすがプロの翻訳者の方だと感じました。
感想
※あくまで私個人の感想です。また、ネタバレを含む可能性があります。ご了承ください。※
読後感としては、最後のどんでん返しによってスカッとした感じでした。読み始めるとグッと引き込まれ、続きが気になってハラハラドキドキしつつ没頭して読んでしまいました。特に、レイチェル達を執拗に追うデルタ・フォースの黒幕が誰かが分かった時は「おお、まさかのこの人だったのか…!」と驚き、やられたなと感じました。それまでの黒幕は誰なのかを考えながら読むというのも楽しかったです。
この物語り、レイチェルが巻き込まれてから一連の騒動が収束するまで、実は大体まる2日しかかかってないんです。もちろんその2日が非常に濃いのですが、2日で400ページ越えが2巻分というのは、量としては多いのかもしれません。
日ごろから本を読むことに慣れていない人だと長いなと感じるかもしれませんが、ドキドキして次は何が起こるのだろう、これはどうなるんだと続きが気になるはずなので意外と読み切れてしまうかもしれません。また、この物語りの中で一番紙面が割かれているのは北極圏での出来事ですが、その後も移動をして場面が変わっていくので、情景にもたくさん変化があるという意味でも飽きにくくなっているかと思います。
また、著者であるダン・ブラウンさんの知識量がすごいとも感じました。この物語りには学術的な記述や軍の技術など科学技術に関する記述が多く見られますが、物語り中に登場する科学技術はすべて事実に基づいているそうです(著者注記より)。もちろん、謝辞にあるように色々な専門家の知見を借りつつ完成させた作品だと思いますが、それでも様々な知識を物語りに落とし込んで作品を引き立たせる、時には作品を成り立たせるために必要不可欠なパーツとして登場させてより面白いものにするアイディアや力がすごいと思いました。
おわりに
いかがでしたか?
『デセプション・ポイント』を読んでみたい!と思った方、以下からチェックしてみてくださいね!
上巻のリンクを載せておきます!
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