『チーズはどこへ消えた?』あらすじと感想

本の紹介&感想

こんにちは!
今回紹介する本はスペンサー・ジョンソンによる『チーズはどこへ消えた?』です。

世の中は目まぐるしく変化していますが、その変化にみなさんはどう反応しているでしょうか。
この本は「変化」に対する対応の仕方、そして変化する世の中で自分の望みをどう叶えるかを考えさせてくれます。

100ページにも満たない短い本ですし、内容も寓話のように読みやすい、でも示唆に富むお話で、さらっと読めます。自分の進路など大きな決断について悩んでいる方、最近前ほど笑顔の多い生活が送れていないかもと思う方など、幅広い年代の方にお勧めできる本です!

あらすじ

『チーズはどこへ消えた?』のあらすじを一文でまとめると「性格や考え方の違う2匹のネズミと2人の小人が迷路の中でチーズを探して周る」になります。これだけ読むと面白そうだなとはあまり思えないかもしれませんが、この本は世界中で読まれ、評価されているのです。なぜ評価されているのか、登場人物ともう少し詳しいあらすじを紹介した後に解説しますね!

登場人物はネズミのスニッフとスカリー、小人のヘムとホーの2匹と2人です。彼らの性格、特に変化に対してどういった反応をするのかをまとめてみると、以下のようになります。

  • スニッフ:変化を敏感に察知する
    スカリー:変化に対して素早く行動する
  • ヘム:変化に対して臆病で、変化を認めなかったり変化に逆らう
    ホー:変化を慎重に捉えて考えて、変化の波に乗るために一歩踏み出す

<あらすじ>
2匹と2人は迷路の中を走り回り、日々チーズを探して生活しています。ある日、彼らはチーズ・ステーションCで大量のチーズを見つけます。彼らは喜びチーズをたらふく食べ、その日からは迷路を走り回ってチーズを探さなくても良い生活になりました。ところが、しばらくするとネズミたちと小人たちの生活スタイルに違いが出てきます。そしてある日、チーズ・ステーションCからチーズが消えてしまいます。この大きな変化を受けて、ネズミたちと小人たちは、それぞれ全く違った行動を取るのです…

以上があらすじになりますが、上記の登場人物の紹介からそれぞれが取った行動をなんとなく想像できる人もいるのではないでしょうか。あなたがどう変化に対応するかは2匹と2人のうちの誰かにきっと似ているはずですので、「単純でこんなのつまらない!」と途中で投げ出さなければ、読めば何か思うところが誰にでもあると思います。

また、彼らが探しているチーズは、あなたが人生で求めるものを象徴しています。それは、家族だったり、仕事だったり、お金だったりと、人によって様々です。自分のチーズとは何なのか、またチーズに対してどういった姿勢を取っていきたいのかなど、自分に置き換えて考えることができます。

私自身、こういうマインドを持って変化に接したいなど、色々と学ぶ部分があり、また人生の要所要所で読み返したい本だと思いました。どんな感想を持ったのかについては以下でまとめていますので、よろしければ読み進めてみてください!

感想

※あくまで私個人の感想です。また、ネタバレを含む可能性があります。ご了承ください。※

この本は、私にとって「一度きりの人生、どう生きたいの?怖がってばかりじゃもったいないよ!」という問いかけとメッセージをくれる本でした。

私自身、変化を必要以上に怖がっていることは認識していました。理性的にはそんなことはないとわかっていても、その変化によって新しい方向に進んだ場合に起こり得る悪い結果や、副次的に発生しうる悪い影響を必要以上に気にしてしまうのです。そのため、『チーズはどこへ消えた?』に登場する2匹と2人の中で私が似ているのは、多くの場合は変化に対して臆病なヘム、自分でそうしたいと積極的に思える変化の場合は慎重に考えてから変化の波に乗るホーかな、と思います。

お話を読んでいると、やっぱりヘムは他の2匹と1人に比べてかっこ悪く映ります。私も、かっこ悪くはありたくないしホーになりたいと思いますが、ヘムでいることにはかっこ悪い以外にもう一つ大きなデメリットがあると思います。それは、「ヘムでいるうちは自分がヘムであることに気づかない」ことです。つまり、客観的にみて自分がかっこ悪い状態になっていること、より良い人生の方へ進む可能性を自ら断ち切ってしまっていることに気づかないのです。

チーズが消えてしまったことに対して、当初ホーとヘムは似たような反応を示しました。2人はしばらくチーズのないチーズ・ステーションCに毎日行くという同じような生活を送っていましたが、ホーはある時あることをして、新たな一歩を踏み出しました。そのあることとは、「自分を笑うこと」でした。「自分は毎日毎日チーズのないチーズ・ステーションCへ行って、何をしているんだろう。ネズミたちのように、新たなチーズを探しに迷路へ繰り出した方がいいのではないか」ということに気づき、ずっとグダグダと見込みのほぼ無いチーズを求めてチーズ・ステーションCへ行く日々が馬鹿らしくなり、自分のことを笑ったのです。ここで言う「自分を笑う」というのは、嘲笑ほどネガティブな感情にまみれたものではなく、自分は馬鹿だったなぁ、じゃあどうしようかと前に進むための笑いです。

「自分を笑う」ためには、自分を客観的にみることが必要です。客観性を持てるかどうかが、ヘムとホーの未来を分けました。ヘムでいる間は、自分の考えを疑うことなく、自分が正しい今この状態が安全なんだと自分の殻に閉じこもっているようなものです。確かに、新しい一歩を踏み出すことは得てして怖いものです。私も怖がりで色々なことを不安に思ってしまうので、ヘムの気持ちもよく分かります。

恐怖心について、ホーが新たな一歩を踏み出して迷路に繰り出した後に言ったことで、印象に残っている言葉があります。それは、「恐怖が無かったらどうするかを考える」という言葉です。恐怖心は私たちが間違った方向へ行かないように助けてくれますが、新しいことを始める時には足かせになることが往々にしてあります。その足かせを外し、自分は本当は何をしたいのかを考えよう、というのがホーのメッセージです。最初は怖かったけどやってみたら案外怖くなかった、一歩踏み出してみたら恐怖心が薄れ心が軽くなって楽しくなった、などの経験をしたことがある人もいると思います。それを忘れなければ良いのですが、人間は忘れっぽく、また強い恐怖心は自分を殻に閉じこもらせて客観的な見方を難しくする場合も多いので、なかなかうまくは行きません。そこで、ホーの「恐怖が無かったらどうするかを考える」 というダイレクトな言葉を思い出すと良いのだと思います。

私が一番印象に残っている部分を2つ紹介して終わろうと思います。一つは、「変化に驚くのは、それを予期したり期待したりしていないから」という部分です。人によってはこれを読んでも特別感じることはないかもしれませんが、私はこれを読んで、確かに、と思いました。まずは、変化=怖いものという構図から抜け出し、「変化はいつ何時でも起こり得るもの、楽しんでいこう」くらいの心持ちがあればいいなと思います。

そして、2つ目は3章でこのお話についてディスカッションをしていた人が「より良い方向へ行くために、自分でチーズを消すという方法もあるよね」という意味のことを言った部分です。2章の『チーズはどこへ消えた?』のメインとなる2匹と2人のお話を読んで、かなり変化に対して前向きになれたと思ったところに、自分はまだまだ受動的な考えから抜け出せていないんだ、自分でチーズを消すというより能動的な動きも選択肢に入っているか入っていないかで人生の選択肢の数が全く違うんだろうな、と思いました。

おわりに

いかがでしたか?

『チーズはどこへ消えた?』は、読む時々によって置かれている状況や環境によって感じることや心に残る部分が変わる、深いメッセージを持った本だと思います。そもそも、自分が欲しいチーズが変わらないとも限りませんしね。私にとっては、また数年後に読み返したい本です!

ご興味のある方は、ぜひ以下から詳細をチェックしてみてください。100ページ未満と短いので、さらっと読めますよ!

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