こんにちは！
今回は世界的な名著でビジネスの場でも多く読まれている、ジェームズ・ヤングによる『アイデアのつくり方』を紹介します。
原著の初版が出版されたのは1940年で、日本語版も1988年に今井茂雄さんの翻訳で出ており、世界的なロングセラーです。
『アイデアのつくり方』は広告界のレジェンドが書いた本ですが、広告業に携わる人でなくても多くの人が参考にできる本です。日本語版は約100ページ、英語版は約45ページとかなり短い本なので、1時間ほどで読み切ることができます。私はたまたま英語版を読んだのですが、原著版を読むのもおすすめです！
それでは概要と要約をどうぞ！
概要
この本の要点を紹介する前に、まずは著者について紹介します。
著者のジェームズ・ヤングはどんな人？
著者のジェームズ・ヤングさんは、1886年にアメリカのケンタッキー州で生まれます。26歳でアメリカ最大の広告代理店トンプソン社に入社し、コピーライターとしての頭角を現しました。
42歳で一線を退いた後は、シカゴ大学で学生を教える傍ら、通信販売などさまざまな仕事を手がけました。
トンプソン社の常任最高顧問やアメリカ広告代理行協会の会長を歴任し、アメリカ広告連盟の殿堂入りを果たすなど、まさに広告業界の重鎮といえる人物です。
要点
アイデアを作るためには、まずはそれがどうやって生まれるのかを理解しなければなりません。著者は、アイデアが生まれる原理は「既存の要素を組み合わせること」だと言います。そして、既存の要素を組み合わせて新しいアイデアを作り出す才能は、物事の関連性を見つけ出す能力が重要です。
その原理と重要な能力を理解したら、それを実践する方法も理解しなくてはなりません。その方法とは、５つのステップを順に踏むことです。どこか1つを飛ばしたり、順番を逆にしたりしてはいけません。著者は、アイデアを作る流れを、「フォード（車）をベルトコンベアーで作るようなものだ」と言っています。以下では、その5つのステップを紹介します。
①データを収集する
まずは、データを収集します。収集するデータは2種類に分けられます。
1種類目は、特殊資料と呼ばれるアイデアを生み出そうとしている事柄に関連するデータです。例えば、石鹸を売ろうとしているなら、その石鹸を使った場合の効果や肌へのやさしさなどの石鹸自体に関する情報、またターゲットとなる消費者の情報などマーケットのデータも含まれます。
2種類目は、一般資料と呼ばれるこの世界の様々な事柄に関する知識です。経済だけでなく、芸術や歴史など、アイデアを生み出そうとしている領域以外の情報すべてを指します。一般資料の収集について、著者は「生涯続く仕事だ」と言っています。
②データを咀嚼する
データを集めた後は、それらを様々な角度から眺め、気になった要素を抜き出していきます。ジグソーパズルをはめるように、データとデータがどのような関連性を持っているかも考え、要素を抜き出します。
③孵化させる
②の段階でたくさん考え、もう何も浮かばないというところまで来たら、一度アイデアを作り出すことを完全に放棄します。そして、映画を観たり音楽を聴くなど、自分の感情や想像力を刺激するものに触れる時間を作ります。
そして、自分の無意識がこれまで抽出してきたデータを組み合わせていくのに任せるのです。
④アイデアの誕生
ここまで正しい手順で十分な労力を注いで来たら、アイデアは急に降ってきます。多くの場合、まどろんでいる時などリラックスしている時にそれは起こるそうです。
⑤アイデアを精査し発展させる
④で生まれたアイデアは、まだ粗削りかもしれません。そこで、現実世界に適合するのかを検証する必要があります。
この段階では、周りの人に生まれたアイデアを共有し議論をすれば、新しい観点が出てくるなど良いアイデアはおのずと磨かれより良いものへと発展していくのです。
まとめ
この本の一番のメッセージは、「アイデアはいきなり生まれるものではなく、5つのステップを順番に踏んで生まれるものだ」ということです。
この5つのステップは、とても目新しいものではないかもしれません。ですが、それをどれだけ素直に受け取って実践できるかが重要と著者は言っています。
英語版もおすすめ
英語を勉強している人・英語が読める人は、原著の英語版にチャレンジするのもおすすめです！
日本語版は、「訳が直訳過ぎる」というレビューを複数見たので、英語が読める人にはなおさらおすすめです。英語版であれば本文は45ページ未満という短さなので、英語の勉強にも程よい長さだと思います！
さらに、 「ラダーシリーズ」では、巻末に本文に登場した英単語用の辞書が載っているので、知らない単語が出てきてもすぐに調べられておすすめですよ！
おわりに
いかがでしたか？
短い本ですが、だからこそ本質的なことがぎゅっと詰まっているので、おすすめです！
日本語版の詳細は以下からチェックできますので、ぜひ興味のある方はどうぞ✨
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