こんにちは!
今回は、星野道夫さんのエッセイ集『旅をする木』のあらすじや感想について紹介します!
この本をおすすめしたい人は、こんな人です。
- 自然や旅が好きな人
- 人生の歩み方、自然と人間の関り方について考えてみたい人
- 穏やかで深みのある言葉に触れたい人
これには当てはまらないよという方にも、一度は手に取ってもらいたいくらいおすすめできる本です。
33篇の短いエッセイからなる本ですので、少しずつ読み進めることもできますよ!
あらすじ
『旅をする木』の著者である星野道夫さんは、アラスカの大自然、そしてそこに生きる動物や人々を愛した写真家です。
彼は、19歳の時に目にしたあるエスキモーの村の写真に強く惹かれ、その村の村長に書いた手紙がきっかけとなりアラスカの地を踏みます。
この村でひと夏を過ごした経験が星野さんに写真家という道を選ばせ、のちにアラスカへ渡ることになりました。
『旅をする木』には、星野さんがアラスカで生活をし、旅をした中で綴られたエッセイ33篇が収録されています。
収録されているエッセイのタイトルは、例えば、「新しい旅」「春の知らせ」「オオカミ」「白夜」「トーテムポールを探して」「カリブーのスープ」「エスキモー・オリンピック」。
エッセイで綴られる星野さんの経験は、極北の未踏の山や谷を歩く日々、北極海でエスキモーの人々とクジラを追う経験、誰も知らない赤い絶壁の入り江で過ごす時間、カリブー(トナカイ)の大移動を追ってキャンプをする生活、満天の星空やオーロラを見た数えきれない夜…などなど。
どれも、日本に住む多くの人には想像のできない瞬間ばかりです。
『旅をする木』には、そんな瞬間がたくさん切り取られ、星野さんの「生きること」に対する強く静かな考えと共に穏やかで深みのある言葉で綴られています。
感想
※あくまで私個人の感想です。また、ネタバレを含む可能性があります。ご了承ください。※
心に響いた一文
いつものように感想を書きたいのですが、星野さんの穏やかで強く、そして深みのある言葉たちに対して、24歳の私が何を言っても薄っぺらくなってしまうような気がします。
悲しみも喜びもそれ以外のたくさんの感情を経験したであろう自然の中で生き続けたこと、色々な人種、さまざまなバックグラウンドを持つ人の生き方に触れたこと等々が、星野さんの生と死に対する観念、時間に対する観念を作ったのかと思うと…背筋を正してくれた『旅をする木』に感謝し、自分の時間をまっすぐに生きていくことが今の私にできる事なのかなと思います。
そんな心持ちですので、心に響いた沢山の文の中から、『旅をする木』の一番最初に私の心を掴んだ文、そしてもう1つ今一番心に残っている文を本文より抜粋して紹介します。
人の心は、深くて、そして不思議なほど浅いのだと思います。きっと、その浅さで、人は生きていけるのでしょう。
星野道夫『旅をする木』p.13より
…深く老いてゆくということは、どれだけ多くの人生の岐路に立ち、さまざまな悲しみをいかに大切に持ち続けてきたかのような気がしてくる。
星野道夫『旅をする木』p.180より
また数年後、読み直したらどの箇所が一番心に残るのか、楽しみです。
あと…もし死後の世界があるのなら、星野さんはきっと、友人であるTをはじめとする彼の大切な友人たちでありそちらの世界の先輩たちを、赤い絶壁の入り江へ連れて行ったのではないかなと思いました。
おわりに
いかがでしたか?
『旅をする木』が気になった方はぜひこちらから詳細をチェックしてみてくださいね!
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