こんにちは!
今回紹介するのは、『山中伸弥先生に、人生とiPS細胞について聞いてみた』です。
山中伸弥先生とiPS細胞と言えば、2021年のノーベル医学生理学賞の受賞者とその功績として、誰もが一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
この本は、「ノーベル賞受賞後初にして唯一の自伝」であり、「親子で読める」とうたっているだけあってとても分かりやすくまとめられています。
芦田愛菜さんも、「一番魂が震えた本」として紹介されています。
この本は、こんな方におすすめです。
- 山中伸弥先生のノーベル賞受賞までの人生について知りたい人
- iPS細胞についてわかりやすい説明を読みたい人
- 大きな成功を収めた人の生き方を知りたい人
あらすじ
『山中伸弥先生に、人生とiPS細胞について聞いてみた』は、「iPS細胞ができるまで」と「iPS細胞にできること」が語られています。
「iPS細胞ができるまで」には、山中伸弥先生がiPS細胞の作製に成功するまでの紆余曲折の人生が描かれています。
大学卒業後に研修医として働いた2年間ずっと「ジャマナカ」と周りから呼ばれたこと、臨床医から研究者へ転身するという決断、沢山の書類を送った末に実現した研究者としてのアメリカ留学、日本・アメリカの恩師から学んだこと、留学後にかかった「アメリカ後うつ病」…
iPS細胞作製を研究テーマに据える前だけで、このように色んなことを経験されています。
その後も、研究成果を認めてもらえないことや、熾烈なヒトiPS細胞の開発競争など色々な困難がありつつも、今ノーベル賞受賞者として日本でとても有名になった山中伸弥先生。
そんな山中先生が、iPS細胞の未来、再生医療の未来についても語っています。
すべての漢字にフリガナが振ってあり、ES細胞やiPS細胞の説明も時には例え話を使いながら、易しい言葉で書かれています。
「大人が読むもよし、子どもが読むもよし」という本です!
感想
※あくまで私個人の感想です。また、ネタバレを含む可能性があります。ご了承ください。※
『山中伸弥先生に、人生とiPS細胞について聞いてみた』を読んで、「必要な努力を重ね、人から学び助けられ、最後は運が見方してくれる」という成功の秘訣が体現されていると思いました。
かなり月並みな感想ですが…もちろん、山中先生には先見の明など他の研究者にはなかった要素も持っていたのかもしれません。ですが、上記の成功の秘訣が実践されることはなかなかないのでしょう。
また、アメリカ留学中にお世話になったメーリー先生の教え「VW」も、シンプルな力で山中先生をiPS細胞作製という成功に導いたのだと思います。
「VW」とは、”Vision and Work hard”、つまり「ビジョンを持って、そのために一生懸命働く」ことです。どちらが欠けてもだめだとメーリー先生は教えたのだそうです。
日本人は「一生懸命働く」ことは比較的得意ですが、山中先生の素晴らしい点は「ビジョン」をはっきりと持っていたことです。
私自身修士号を取っているので研究者という職業について少しばかり知っているのですが、はっきりとした「ビジョン」を持ち続けるというのは、好きなことをしてそうなイメージのある研究者にとって案外難しいことだと思うのです。
論文を出して実績を積まなければならない、研究費を確保しなければならない、そのためには国やどこここの財団の審査に通らなければならない、、、などと、案外目先のことを考えてこなしていかないと研究者としてやっていけないということになるのです。
その点、山中先生はぶれない「ビジョン」をしっかりと持っていました。もちろん、このビジョン達成にはたくさんの人の協力があり、そしてその方たちの功績をちゃんと認めて尊重するという山中先生の姿勢があったからこそだと思います。
また、「そのアメリカ留学時代」は、山中先生のその後の人生においてとても重要だったのだろうということが読んでいて良く伝わってきました。
研究者のために整えられた環境、プレゼン力がとことん鍛えられた授業…「大袈裟にいえば、人生も変わりました」と言うくらいの影響です。そんな環境が日本にも多くあったらいいのになぁと思います。
おわりに
いかがでしたか?
『山中伸弥先生に、人生とiPS細胞について聞いてみた』が気になるという方は、ぜひこちらからチェックしてみてくださいね!
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